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極彩色」と表現される鮮やかなレーサージャージ。
毎年生まれ変わるレーサージャージの思い出を綴る。 
 
 



No.21  Acqua & Sapone - CantinaTollo "Giro d'Italia prologo"  ('02 season)
No.22  Lampre "Japan Cup , Manuel Quinziato" ('04 season)
No.23  Rabobank "Maillot Arcenciel" ('05 season)
No.24  
"Maillot Jaune" Tour de France ('00 season)
No.25  Quick Step  "'95 Nederlands Champion , Servais Knaven" ('05 season)
No.26  Domina Vacanze - Elitron "Tour de France prologue" ('04 season)
No.27  Discovery Channel "Tour de France , Champs Elysees special" ('05 season)
No.28  Lampre - caffita  ('05 season)
No.29  Le Groupement "Maillot Arcenciel" ('95 season)
No.30   Unibet.com "Swedish Champion Jersey" ('06 season)
No.31   T-Mobile Team "Tour de France Special Jersey" ('06 season)
No.32   Rabobank ('05 season)
No.33   Caisse d'Epargne - Illes Balears "French Tricolore Jersey" ('06 season)
No.34   Italia National Team Jersey ('05 season)
No.35   Caisse d'Epargne - Illes Balears "UCI Pro Tour Leader Jersey" ('06 season)
No.36   Saunier Duval - Prodir "Paris - Roubaix Special Jersey" ('05 season)
No.37   Gerolsteiner "World Cup Leader Jersey" ('04 season)
No.38   Italia National Team Jersey ('03 season)
No.39   Quick Step - Davitamon "'00 Hungary Champion , Laszlo Bodrogi" ('03 season)
No.40   Liquigas "Maglia Rosa" Giro d'Italia '07 ('07 season)

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No.40 Liquigas  "Maglia Rosa"
     Giro d'Italia '07  ('07 season)










 …何から書いて良いのか。とりあえず、今言えることと言えば、納得いかない、のひとことだ。ディルーカは、被害者に過ぎないのではないか。リクイガスのマッサーを務める中野さんのブログを読んで以来、その思いは強く、どこかひっかかっているような感覚だ。ディルーカはいまだ、来期の所属チームが決まらないという。彼のようにクラシックもグランツールも必死に走る、過去の偉大なチャンピオン達を彷彿とさせるようなスター選手はそう簡単には出てこない。そのディルーカをこんな問題でレース界は失ってしまって良いのか、と考えるととてもやりきれない。

 やりきれない気持ちを書き出すときっと収拾がつかなくなるので、とりあえずジャージの話に戻すことにする。このジャージは、ジロ・デ・イタリア'07を制したリクイガス所属のダニーロ・ディルーカのレプリカジャージだ。チーム公式サイトで購入したモノで、本人の直筆サインが入っている。これまでコレクションとして自分のウェブサイトに載せてきたマリア・ローザは、すべてスポンサーロゴが入ってないすっぴんマリア・ローザだけれど、このジャージはチームのスポンサーロゴもきちんと再現したレプリカものということで、個人的にもお気に入りの一枚。しかも本人のサインがしっかり入っているのだから、嬉しさは倍増だ。

 今年のディルーカは本当に文句なく凄かった。リエージュを獲り、その勢いを保ったままジロをも制した。クラシックレーサーとして名を馳せていた彼だが、'05ジロで表彰台を狙えるポテンシャルを見せ、翌年の'06ジロでは優勝候補の一角として注目される状況に。しかし、結果は大失敗。グランツールの優勝を狙ってディルーカが走ることに関しては、再び?がついて回るような状況になりかけていたような印象だった。しかし、その印象を覆す素晴らしい走りを今年のジロで見せたディルーカ。常にガッツ溢れる走りが印象的で、どんなレースでもファイトを見せる姿に好印象を受ける。手を抜かないレーサー、という感じだろうか。クラシックだろうがグランツールだろうが、とにかくなんでも優勝を狙う、真のファイターなんだと思う。ワンデーレースとステージレースを住み分けて走る感のある現代のロードレース界に一石を投じるような、ディルーカの縦横無尽な活躍を今後も楽しみたいところだ。(07/11/07)
 



No.39 Quick Step - Davitamon 
 "'00 Hungary Champion ,
      Laszlo Bodrogi" ('03 season)










 ロードレースではイタリアのベッティーニが2連覇、ITTではスイスのカンチェラーラが2連覇とそろって強さを見せつけた'07世界選手権。ラースロ・ボドロギも、特にITTでそのスペシャリスト振りを発揮。見事2位に滑り込み、銀メダルを手中にした。左のジャージは、彼が'03シーズン、クイックステップ・ダヴィタモン時代に着用していたチームジャージだ。一見イタリアントリコロール?と思ってしまいそうな襟・袖の三色カラーは、ハンガリーチャンピオンの証。なかなか貴重なジャージ、と言えるのではないだろうか。

 ボドロギの公式サイトによると、彼の勝利のほとんどはITTだ。その中にはステージレースのプロローグも含まれる。反面、山岳で活躍するのをあまり見せたことがない。完全に、TTスペシャリストだ。そんな彼の良さが大爆発した感のある、今回の世界選手権。パリ〜ニースのプロローグやツール・ド・ルクセンブルクの総合優勝など、なかなかの勝ち星をこれまでに積み重ねている彼ではあるが、今回の銀メダルはそれらにひけをとらない素晴らしい成績と言えるのではないだろうか。現在圧倒的な力を発揮しているTTの帝王カンチェラーラさえいなければ、金メダルだったのだから。。。

 ロードレースの世界において、ハンガリーという国は弱小国に数えられてしまう状況にあるだろうけど、ボドロギはその中でもぴかいちの輝きを放っている。前述の公式サイトを見ると、ハンガリー選手権においてロードレースもITTも、ボドロギが勝利を収めている回数が圧倒的に多い。この事実が、ハンガリーにおける彼の図抜けた実力を物語っていると感じる。特に、ITTにおける彼の絶対的優位さを、過去のハンガリー選手権の結果から読み取ることが出来る。

 1976年生まれなので、今年で31歳。ロード選手としては完全に成熟しきり、今がある意味絶頂期かもしれない。裏を返せば、あと数年で下降線を辿っていく、そんな微妙な曲がり角にある年齢と言えるのかも知れない。けれど、今回の世界選手権での活躍が示すように、TTの実力は世界トップクラスであり、まだまだいけそうな雰囲気を見せている。今後も着実に勝利を積み重ねつつ、過去エスポワール時代に勝利したパリ〜ルーベなどでも活躍する姿を見たいものだ。(10/10/07)
 



No.38 Italia National Team Jersey
                 ('03 season)












 近年、ワンデーレースにおいてその勢力を最も強大に広げていた国は間違いなくイタリアだ。英雄ブーニョの時代以降、バッレリーニ、ボルトラーミ、ターフィ、バルトリ、レベッリン、ベッティーニと途切れることなくワンデーレースの覇者を生んできたイタリア。しかし、世界選手権ではなかなかうまくいかない。'02世界選手権でチポッリーニがアルカンシェルを獲得した時も、10年振りということで大いに話題になった。イタリアの有力自転車雑誌、BICISPORTが毎年シーズン終了後に出している年間写真特集の本にも、背表紙には「10 anni dopo」の文字がデカデカと書かれ、10年振りの栄冠であることが大きく強調されているような印象を受けたものだ。自転車ロードレース界で最も尊いタイトル“世界選手権制覇”は、イタリアほどの強国にあっても相当に難しいのだろう。

 左のジャージをまとった'03シーズンも、イタリアが優勝候補筆頭だった。なんといってもベッティーニがいたからだ。'03シーズンのベッティーニは、ミラノ〜サンレモ、イタリア選手権、HEWサイクラシックス、クラシカ・サンセバスティアンを制覇し、ワールドカップシリーズも連覇。パヴェの厳しい北のクラシック前半戦で超人的な強さを誇ったファンペテヘムと並び、最強のクラシックレーサーとしての地位を確立していた。アップダウンのあるコースでの切れは抜群。世界選手権でも優勝候補筆頭だった。

 しかし、優勝は伏兵イゴル・アスタルロア。アスタルロアはこの年のフレーシュ・ワロンヌに優勝していたものの、世界選手権の優勝候補にあげられていた、という印象がない。ただ、前年のワールドカップを総合4位(ランキングで前後にいるメンバーが凄い豪華!)で終えている実力者・アスタルロアの最後のアタックは見事の一言。後続のつけいる隙を与えなかった。逃げ切り勝ちを収めたアスタルロアの勝利を喜ぶ様子と、後続のトップをとり2位を勝ち取ったバルベルデが腕をぶんぶん振り回して喜ぶ様子が懐かしく思い出される。

 表彰台を逃したイタリア、この後'06世界選手権をベッティーニが制覇するまで苦闘が続いたわけだなあ。。。今年の世界選手権もイタリアチームは豪華絢爛そのもの、これが良い結果に転ぶのか、それともまた苦闘の道に落っこちていくのか、興味は尽きない。(21/09/07)
 



No.37 Gerolsteiner 
   "World Cup Leader Jersey"
                 ('04 season)















 ワールドカップシリーズ最終年となった'04シーズン(翌シーズンよりプロツール制に移行)は偉大なる記録が数多く生まれた。アームストロングによるツール6連覇、クーネゴによるジロとロンバルディア同年制覇、フレイレによる世界選手権3勝目、ペタッキによるジロ区間9勝。。。こういった輝かしい記録に肩を並べるのが、ダヴィデ・レベッリンによるアルデンヌ・クラシック3連覇だ。北のクラシック後半戦で重要度が非常に高いアムステル・ゴールドレース、フレーシュ・ワロンヌ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュを連戦連勝。アムステル・ゴールドレースが4/18開催、リエージュが4/25日開催なので、1週間のうちに3つもの重要な勝利を収めてしまったわけだ。この3レースは、どれかひとつでも獲れればエース格選手としての重責はしっかり果たした、と言われるだけの伝統と格式があるレースなので(だからワールドカップシリーズに組み込まれたり、翌シーズンからのプロツールに組み込まれたりしているわけだが)、当時の衝撃度は相当なものだった。クラシックを数多く制した大巨人エディ・メルクスでさえ、こんな短期間に勝利を重ねたことはないという話が引き合いに出されるほど、この時のレベッリンは強かった。今となっては使われなくなったワールドカップのリーダージャージを身にまとい、リエージュの表彰台で3本指を立てるレベッリンの姿が懐かしい。

 この年のワールドカップシリーズは、対象レースでの優勝こそ無かったものの上位入賞を繰り返しポイントを順当に稼いでいったベッティーニが獲得した(結果はこちら)。ワールドカップシリーズ3連覇というベッティーニの偉業は本当に素晴らしい。が、僅差でワールドカップシリーズ制覇を逃したレベッリンのほうが、このシーズンで残したインパクトは大きかった。フレーシュ・ワロンヌがワールドカップシリーズに組み込まれていれば・・・という気が今更ながらしてくるほどだ。

 左のジャージは、結果的にワールドカップを獲れなかったレベッリンにとってはシーズン中に一時的に着ていた幻のジャージ、ということになってしまうわけだが、それでもやっぱりアルデンヌ・クラシックでハットトリックを達成した彼の偉業を証明するものとしてファンとしては非常に嬉しいアイテムだ。ちなみにこれはゲロルシュタイナーのチームサイトで購入した(個人的に初めての海外通販だったので届くまでドキドキだった)のだが、サインが直筆だったのが嬉しい誤算。フレイレのアルカンシェルレプリカのように、プリントされたサインが入っているジャージが届くと思いこんでいたので、直筆サインを目にした時自分は小躍りして喜んでしまったほど。レベッリンさん、ありがとう!(10/03/07)
 



No.36 Saunier Duval - Prodir 
   "Paris - Roubaix Special Jersey"
                 ('05 season)






 アンドレア・ターフィ。北のクラシックでも特別に熱いレース、ロンド・ファン・フランデレンとパリ〜ルーベの両方を制覇した、イタリアが世界に誇るクラシックレーサー。左のジャージは、そんなターフィが現役最後のビッグレースとして選んだ'05パリ〜ルーベで着用したスペシャルジャージだ。写真上の前面を見ると、右下に「パリ〜ルーベ」の文字が入り、写真下の背面を見ると、彼の名前とこちらもやはり「パリ〜ルーベ」の文字が入る。引退のためにスペシャルジャージが用意された、という時点で、彼がいかにビッグなレーサーとして認められていたかが分かるような気がする。

 彼の主な戦績を列挙すると、'96パリ〜ブリュッセル、'96ジロ・デ・ロンバルディア、'97ロンチェスター・クラシック、'98イタリア選手権、'99パリ〜ルーベ、'00パリ〜ツール、'02ロンド・ファン・フランデレンといったところ(詳細はターフィ公式サイトの戦績のページにある)。「パンケーキのように」フラットなパリ〜ツールから、石畳地獄のパリ〜ルーベ、石畳&激坂のフランドル、シーズン終盤の山岳寄りクラシックであるロンバルディアまで。こうしてみると、ターフィの成績はコースプロファイルに関係なく「なんでもござれ」って感じである。アルカンシェル獲得こそならなかったものの、しっかりナショナルチャンピオンジャージは獲得しているわけだし、なんともインパクトのある選手だったんだなあ、という印象。

 有名な'95パリ〜ルーベでのマペイ勢大活躍&ゴール順指示の一件(詳しくはカメラマン砂田弓弦氏監修の雑誌「チクリスティNumero.2」p95からのインタビュー記事、同じく「チクリスティNumero.3」p75からのインタビュー記事にある)や、イタリアナショナルチャンピオンジャージを着て歓喜のゴールを果たした'99パリ〜ルーベなどについて、自分は海外制作のレースビデオを購入して観戦した。でも、しっかりシーズンを追いかけながらレースを見たのは03年からだったので、個人的には晩年のターフィの姿が印象に残っている。サイクルキャップを切り取ってサンバイザー風にし、砂埃のあがる石畳をひたすら前進するターフィ。とにかく格好良かった。勝てなくとも不思議と印象に残る、そんな気迫の走りが思い出される。

 左のスペシャルジャージを着て走った最後のパリ〜ルーベも、優勝を目指して望んだはずが、体調不良のせいもあって42位フィニッシュという平凡なものだった。しかし、世界の注目はしっかりとターフィに向いており、サイクリングニュースのパリ〜ルーベ・サムネイルページを見てみてもそれはしっかりと分かる。ターフィほどの選手が「最後のパリ〜ルーベ」と宣言してレースに臨めば、報道関係者は当然注目するわけだな。成績自体は平凡に終わったものの、ゴール後のターフィの笑顔は、選手としてやるべきコトはやった、という充実感のようなものを感じさせてくれ、自然と暖かい気持ちにさせてくれるように思う。

 ところで左のジャージ、惜しいことにレプリカしきっていないのである。前述のターフィの写真を見れば明らかなように、彼がレースで着用したジャージには袖・襟にしっかりとイタリアントリコロールが施してあるのである。つまり、ちゃんとイタリア選手権覇者であることをジャージが主張しているのである。この一点で、左のジャージはレプリカしきれていないのが非常に残念。やるならとことん本物志向にして欲しいなあ。。。(03/03/07)
 




No.35 Caisse d'Epargne
  - Illes Balears "UCI Pro Tour   
      Leader Jersey" ('06 season)















 いまや世界最高峰の高給取りレーサーとなったバルベルデ。左のジャージは、大成功の象徴とも言える、'06プロツールのリーダージャージレプリカだ。普通のプロツールリーダージャージは真っ白地に袖・襟が青のプロツールの象徴を施してあるデザインなんだけれど、このジャージは少しオリジナリティがあって、両脇の下、横っ腹部分が通常のチームジャージと同じく黒のカーボン調模様になっており、そこにスポンサーロゴが入っている。ただ単に真っ白な生地の上にスポンサーロゴを配するだけじゃなく、通常のチームジャージのデザインをちょっとばかし踏襲して作られたバルベルデのプロツールリーダージャージ、個人的に好きです。残念なのは、もうちょっと早く日本でこれが発売されていたら、東京国際自転車展に持参してバルベルデ本人のサインを入れてもらえたのになあ、ということ。まあ、こればっかりは悔やんでも仕方の無いことなんですが。

 さて、'06シーズンのバルベルデの成績でぱっと思い出せるものを列挙してみると、フレッシュ・ワロンヌ優勝、リエージュ優勝、ツール・ド・ロマンディ総合3位とステージ1勝、ブエルタで総合2位とステージ1勝、世界選手権3位と文句なく素晴らしい。しかも、春先からシーズン終盤までずっと強いじゃないですか。その上、ステージレース・ワンデーレースの区別無く勝利を収めている。彼が世界最高峰の高給取りレーサーであることに、疑問をはさむ余地はない。なんといっても、すでに素晴らしすぎる前述の成績に、「ツール・ド・フランス優勝=マイヨ・ジョーヌ獲得」と「世界選手権優勝=マイヨ・アルカンシェル獲得」が付け足される期待感が他のどの選手よりも大きいからだ。'06プロツールリーダージャージの獲得は、どんなレースにも実力をいかんなく発揮するバルベルデが、そんな究極の成功を収める前に踏んだステップ、と言う感じだろうか。

 近年のプロライダーは、クラシック(ワンデーレース)に絞るかステージレースに絞るかある程度はっきりさせている感があり、特にエースクラスの選手ともなるとそれが顕著だと思う。自分自身で出るレースをチョイスしているというか、そんな印象を受ける。そんな時代だからこそ、バルベルデにはイノーやメルクスのような過去の偉大なるチャンピオン達のように、どんなレースにも出場し、しかも全て勝ちに行く、そんなスタイルであって欲しい気もする。ただ自分はイタリアびいきなので、強いバルベルデをレース観戦の上では仮想的な敵役として見ている。そのため、あんまり勝ちすぎてイタリア選手をいじめないで欲しいなあなんていう思いもあったりするわけで(笑)。でも、バルベルデっていう選手はとても好きです。東京国際自転車展のため来日した彼は凄く気さくな感じの好青年でしたしね。(25/02/07)
 



No.34 Italia National Team Jersey
               ('05 season)














 アレッサンドロ・ペタッキによるアルカンシェル獲得を目指し、彼を強力にアシストする人材を中心に編成された'05世界選手権。スタートリストを見ると、ペタッキの牽引役マルコ・ヴェーロ、ジョバンニ・ロンバルディ、マッテオ・トザットらが名を連ねている。セカンドエースのベッティーニも含め、全ての選手が強力なトレインを形成する実力を持った選手達だ。イタリアを拠点に活躍するカメラマン砂田弓弦氏監修の雑誌「チクリスティNumero.5」の24ページには、控え選手も含めたイタリア代表選手団の記念撮影が収められているが、ディルーカやレベッリンらクラシックレーサーの選出はなく、ペタッキ中心のチーム作りをしつつも強力な人選をしている様子が良く分かる。

 しかしながら、公式リザルトを見れば明らかなように、結果的にイタリアナショナルチームは上位に選手を送り込めなかった。セカンドエースのベッティーニは13位、エースのペタッキは35位という大惨敗だ。前出の「チクリスティ」に詳細が詳しくあるが、結果だけ見れば近年で最も悪い成績となってしまった。ペタッキが最後までもたなかったこと、ベッティーニのアタックが孤立してしまったこと、敗因には様々な要因が挙げられるだろう。いずれにしても、イタリア代表は世界でもNo.1の選手層を誇りながら、最悪の結果を残してしまったわけだ。

 しかし翌年、オーストリアのザルツブルグで行われた世界戦にて、ベッティーニが見事な勝利を収めることに成功。レース中は誰が見てもイタリア代表チームが支配を続け、文句なしの勝利だった。このベッティーニのリベンジに一役買った、アレッサンドロ・バッラン。前述の「チクリスティNumero.5」の24ページには、バッランの姿もきちっとあるのに、スタートリストには名前がない。控えに回ったひとりなのだ(もう一人はブラマーティ)。彼はこの年ジャパンカップに来日し、世界戦の写真を見せてくれたりした(このページのエピソード3にその様子があります)。世界戦を外側から見ていた悔しさはどんなものだったのだろうか。そんな彼も、翌年のベッティーニの大勝利には大いなる貢献を果たしている。彼が登りでプロトンを引きはじめたとたん、後続がブチブチ千切れていったのが記憶に新しい。

 左の写真は、そんなバッランが控えに回った05年のナショナルチームジャージ。胸のところに直筆サインを入れてもらっている。ちょっと分かりづらいけど、ビブショーツはランプレ・カッフィータ
のロゴ入りのナショナルチームのビブショーツ。通常のチームジャージとは違うのです。これはレアでしょう。(20/02/07)
 



No.33 Caisse d'Epargne
  - Illes Balears "French Tricolore
       Jersey"('06 season)









 ケースデパーニュ・イリェスバレアレスのフランス人ライダー、フローラン・ブラールが'06フランス選手権勝利によって獲得したジャージ。

 一般にフランスチャンピオンジャージは綺麗なトリコロール(フランス選手権を獲った直後のポディウムで着用しているようなジャージ)が特徴的だけど、ブラールのジャージは個性的で、チームジャージの柄になっているカーボン調の模様とフレンチ・トリコロールをうまく混ぜ合わせたようなデザインになっている。そのため、青・白・赤それぞれの色の境目がハッキリと分かれているわけでなく、カーボン調の模様にあわせて薄くグラデーションがかかったようになっている。個人的にこういうオリジナリティーを出したデザインは好きです。

 最近のフランスチャンピオンをさかのぼると、ピエリック・フェドリゴ、トーマ・ヴォクレール、ディディエ・ルー、ニコラ・ヴォゴンディ、クリストフ・カペル、フランソワ・シモンとなっている。私見だが、イタリア、スペイン、ベルギーといった列強国のここ数年のナショナルチャンピオン達と比較すると、ネームバリューに劣る気がしてならない。まず、グランツールでステージ優勝を何度か飾ったり、各賞をとったり、総合優勝をしたりっていう選手が思い当たらない(ヴォクレールやシモンのように序盤から中盤で何日間かリーダージャージを着てニュースになった、という例は思いつくけど)。それから、グランクラシックや旧ワールドカップレースで常に上位に食い込むクラシックハンターも思いつかない。例えばイタリアならパオロ・ベッティーニ、スペインならパコ・マンセーボ、ベルギーならトム・ステールスと言った具合に、グランツールもしくはクラシックで活躍を見せるネームバリューの高いナショナルチャンピオン経験者が思いつくのだけれど、フランスの場合それが難しい。ネームバリューの高い選手というと、'98フランスチャンピオンのローラン・ジャラベールまでさかのぼる必要があるのではないか?この事実からも、自転車ロードレースの伝統国フランスの最近の低迷ぶりが見て取れる気がする。

 長く続くフランスの低迷ぶりを払拭するためにも、現チャンピオンのブラールの頑張りに期待したいところだ。(10/02/07)
 



No.32 Rabobank ('05 season)







 旧ワールドカップレースを基盤に、'05シーズンより始まったプロツール。これまでのトレードチームという枠組みが無くなり、代わりにプロツールチーム、プロコンチネンタルチーム、コンチネンタルチームというランクわけが出来た。

 当然最上級ランクのプロツールチームは数が限られ、プロツール以前のカテゴリーで言えばTT1にカテゴライズされていたチームが多く名を連ねた。ラボバンクもそのうちのひとつ。オランダで最も規模が大きく、安定した成績を収め続ける名門だ。チームとしては、この年10年目に突入、ということになっている。

 プロツール元年の'05シーズン、チームには前年度に3度目のマイヨ・アルカンシェルを獲得したオスカル・フレイレ、オランダチャンピオンのエリック・デッケル、オランダのエースと言えるマイケル・ボーヘルトといった既存の豪華メンバーに加え、オランダの神童トーマス・デッケルやツール新人賞のデニス・メンショフを加えさらに層を厚くしてのスタートだった(当時のプレゼンテーションの様子)。

 '05シーズンのラボバンクと言えば、ツールでのラスムッセンの成功(マイヨ・ブラン・ア・ポワルージュ獲得)と、ブエルタでのメンショフの成功(総合2位フィニッシュ、後に総合優勝のエラスのドーピング問題により総合優勝に繰り上げ)がすぐに思い浮かぶ。プロツール元年は、ラボバンクにとっては成功の一年だったと言えるのだろうか。

 幾何学模様、といった印象のデザインが凄くインパクトがあるラボバンクのジャージ。'05シーズン以降、デザインには殆ど変更点は見あたらない。ちょっとしたマークの色の変更があったりとか、せいぜいそんな程度という風に個人的には受け止めている。安定したスポンサーシップと、そこにしっかりと続いていくファンがあるからこそ、なのだろうか。さすがオランダきっての人気チームだ。いつまでも、この鮮やかなジャージがプロトンで見られるといいな。
(05/02/07) 


No.31 T-Mobile Team
   "Tour de France Special Jersey"
                 ('06 season)







 T-Mobileが06'ツール・ド・フランスで着用したスペシャルジャージ。アフリカに学校を、という胸の文字と、UNICEF blueのストライプが眩しいレプリカだ(ちなみにレプリカは限定500枚生産されたらしい)。選手達はこのジャージをツール期間中ずっと身につけ、チャリティーをアピールした。詳細はT-Mobile公式サイトにある。詳細にも書いてあるけど、ボンを拠点とした現T-Mobile(過去にはドイチェテレコム、チームテレコムなど)は、15年の歴史の中ではじめてツール・ド・フランスに向けてスペシャルジャージを用意した。チームカラーのマゼンタに映えるUNICEF blueが、ジャージのシンプルさのおかげもあって非常に際だっている。選手仕様の場合は、プロツアーマークの下にあるT-Mobile Team 2006の文字のそのまた下に、個人の名前が入る。アンドレアス・クレーデンとかマイケル・ロジャースといった具合に。

 本当ならこのジャージを着て、ヤン・ウルリッヒがイヴァン・バッソと死闘を繰り広げたはずだった・・・今年のツールは。でも、開幕前日のオペラシオン・プエルト関係の騒動により、ウルリッヒはスタート出来ず。チームにとって救いだったのは、残されたケスラーやゴンチャールらによるステージ優勝や、チーム総合成績で優勝したことだろうか。

 UNICEFのロゴ、で個人的に思い出すのがFCバルセロナ。100年以上の歴史を持つFCバルセロナには、これまでかたくなに固持してきたジャージ胸の部分にスポンサーを入れないという伝統がある。その理由としては、栄光のブラウグラーナを汚さないためだとか、そういう話を聞いたことがある。その伝統を捨ててまで、FCバルセロナが胸にロゴを入れた。これもやはりUNICEFのチャリティーのためだった。ちなみに個人的に心配なのは、UNICEFのチャリティーを終えたあとバルセロナはまた胸にスポンサーロゴを入れない仕様へと戻すのかなあということ。そのままなし崩し的にスポンサーロゴを入れたりするようなことが無ければいいけど・・・と考えるのはまあひねくれたものの見方かな(笑)(17/12/06)
 



No.30 Unibet.com
    "Swedish Champion Jersey"
                 ('06 season)









 正式にプロツアー入りが承認されたUnibet.cm。スウェーデンとベルギーの混成チームらしく、05スウェーデンチャンピオンであるジョナス・リュングブラッドが在籍している。このジャージは彼のナショナルチャンピオンジャージレプリカ。ちなみに来年のプロツアー入りに当たって、Unibet所属の有力選手を列挙すると、クック、ラルソン、ペーニャ、カスペール、カラーラ、ルハノといったところか。メンバーを見ると確かに楽しみな戦力を保持しているチームと言えそうだが、現在プロツアー制度が混乱を極めており(グランツールがプロツアー制度からの離脱を正式表明している)、それを考えるとUnibetをレース中継で見かける機会が今年より増えるのかどうか、不透明な現状という感じだろうか。

 スウェーデンチャンピオンジャージというとひじょーにレアな印象が強く、これから目にする機会があまりないかも・・・と思ったりしたもんだけど、06スウェーデンチャンピオンのロヴクヴィストが今年のツール・ド・フランス参加選手最年少ということで第一ステージスタート前に選手宣誓をしたシーン(もちろん真新しいスウェーデンチャンピオンジャージ着用)を写した写真がいたるところで見られた。ロヴクヴィストは将来性十分な若手らしく、もしかしたらそのうちツールの総合争いに絡んでくる選手になるかも、という評判なので、それほど強い彼ならこの先何度かスウェーデンチャンピオンジャージに身を包んでツールに乗り込んでくることもありそうだな、と思った。そうなるとこのチャンピオンジャージを目にする機会も徐々に増えていきそうな気がする。

 左のジャージを着ていた本人、リュングブラッドについては、正直全く印象がない。これまでアモーレヴィータやビアンキ・スカンジナヴィアなどの比較的小さめなチームを転々としていたようだ(参考:彼のサイト、多分公式)。主な成績は05'ツール・ド・ヴァンデ優勝、06'ツール・ド・ルクセンブルク第3ステージ優勝など。好きなレースはロンド・ヴァン・フランデレンという「ファイター」らしい。来年のプロツアーの動向は不透明だけど、これまでよりUnibet.comをレース中継で見かける回数が増えることは間違いなさそうなので、リュングブラッドの走る姿をしっかりとチェックしたいと思う。(17/12/06)
 



No.29 Le Groupement
"Maillot Arcenciel" ('95 season)







 94年世界選手権を制し、フェスティナのアルカンシェルを着てジャパンカップに登場したリュック・ルブラン。その彼を翌年エースとして据えて出来た新生チームがこのル・グルップモンだ。このチームについては、ツール直前に解散してしまい、フランスが誇る世界チャンピオンがフランス最大のレースに参加出来ないという異常事態を招いてしまったという話が有名で、当時を知らない自分も何度かその事件を振り返るような文章を目にしたことがある。

 ル・グルップモンの通常チームジャージは混じり合った絵の具のような派手なデザインで、あのチームジャージに混ざってこのアルカンシェルを着たルブランが走ったらさぞ目立ったろうなあと想像される。アルカンシェルを着てフランス選手がツールを走るのはどれほど尊いことか想像もつかないけれど、誰もがうらやむそんなシチュエーションがレース外のトラブルで奪われてしまう、という事態になってしまったというのがとても悲しい。チームが解散した時、ルブランはどんな思いで過ごしたのだろう。ツール期間中、何をしていたのだろう。

 そういえば、03年も似たようなことがあった。チーム・コーストの給料不払い問題と、それに付随して新生チーム・ビアンキが出来上がった話だ。とここで気がつく。左のジャージを見ると、右上にビアンキのマークが。バイクがビアンキだった証だ。そして03年、コーストがいよいよ大変なことになってきた、という時点で、コーストにバイクを供給していたビアンキがメインスポンサーになってチームを作った、と。なんだかビアンキは同じようなトラブルに2度巻き込まれてしまっているんですねえ。パンターニの影響で日本では根強い人気を誇るメーカーという印象が強いし、さらにはシャカリキの主人公野々村輝のメインバイクもずっとビアンキなので、ビアンキには時代のヒーローが常にまたがっているようなポジティブなイメージが自分にはあるのだけれど、不慮のトラブルなんかにも巻き込まれるケースがあったんだなあ。紆余曲折を経て今がある、という感じなのかなあ。(16/12/06)
 



No.28 Lampre - caffita ('05 season)






 04シーズン終了後、イタリアの名門2チームの、サエーコとランプレが合併してできたチームがこのランプレ・カッフィータだ。出来上がったジャージは、殆どランプレのカラーとなってしまい、サエーコの面影が無いのが残念だ。サエーコの面影が多少残っているとすれば、KappaとLAGHETTOのスポンサーマーク、そしてキャノンデール製のウェアというところか。

 左のジャージは新品なので、以前取り上げたバッランがレースで使用したジャージと比べると色合いが濃い。やはり一年間プロが激戦に次ぐ激戦のさなか使用したジャージと新品のジャージとでは大違い、という感じ。

 ちなみにこのジャージは05ジャパンカップにて来日したメンバー全員のサインを入れてもらっている。メンツは、ダミアーノ・クネーゴ、パチ・ヴィラ、マルコ・マルツァーノ、アレッサンドロ・バッラン、モーリス・ポッソーニ。振り返ってみると、05ジャパンカップ来日時点ですでに大スターだったクーネゴや、今年プロツアーランキングでイタリア人選手最高位だったバッランなど、若くてこれからも活躍が大いに期待できる選手達の来日だったのだなあ、と改めて思う。ジャパンカップの価値が改めてうかがい知れる、そんな感じかな。

 キャノンデールは、ランプレ・カッフィータをスポンサードしている際にも、ジロでスペシャルジャージを使ったショーアップをするなど、毎年趣向を凝らしたプロモーションを行い、ファンを楽しませてくれていたが、06シーズンはプロツアーチームへのバイク供給が無く、目立たない印象があった。しかしきたる07シーズン、イタリアの強豪リクイガスへバイク供給が決まったという。新しいバイクへの興味も尽きないが、それ以上にスペシャルジャージを使った派手なプロモーションが楽しみだ。(06/12/06)
 


No.27 Discovery Channel
 "Tour de France ,
    Champs Elysees special "  
                ('05 season)





 ツール・ド・フランスを支配し続けたUSポスタルチームがメインスポンサーを替え、ディスカバリーチャンネルとして再度ツール・ド・フランスを支配しに登場した05年。このジャージは、ツール・ド・フランス7連覇を達成したシャンゼリゼゴールを祝うため、チームメイトが着用したスペシャルジャージだ。偉大なる7連覇をアピールするように、胸に七つの星、そして肩にマイヨ・ジョーヌカラーであるイエローを配したデザインで、栄光のパリゴールに華を添えた。

 05年ツールと言えば、04年ツールでステージ優勝を量産したアームストロングはそれほどアタックを見せず全体的に大人しめで、気づいたら周りのライバル達が自然と脱落していったような、そんな印象が残っている。ランスがステージを獲る代わり、というわけでは無いのだろうけど、普段はランスのアシストを務めステージ優勝争いに絡むことがほぼ無いディスカバリーのアシスト陣が活躍を見せた。自らもエースを張れるほどの実力者であるヒンカピーとサヴォルデッリのステージ勝利が達成され、チームとしてはこれ以上ない素晴らしいツール、という感じだったと想像される。

 7連覇、と言ってもチームメイトが常に同じだったわけではなく、7連覇全てに関わったのはジョージ・ヒンカピーだけだ。そして忘れてはならないのが監督のヨハン・ブリュイネール。ジャージ左下のサインは、そのヨハン・ブリュイネールが06'ジャパンカップ参戦のため来日した際にサインをしてもらったもの。ジャパンカップ来日メンバーのひとり、ベンハミン・ノバルは04、05年とランスのアシストとしてツールに参戦していたので、彼にサインを入れてもらおうかと思っていたのだけれど、このジャージは七つ星が示すように「7連覇」を記念したジャージと言うことで、7連覇全てでチームの指揮をとった名将ブリュイネールにサインをしてもらったというわけ。なんだか急にジャージの重みが増したような、そんな気分。(03/12/06)
 



No.26 Domina Vacanze - Elitron
   "Tour de France prologue"
               ('04 season)







 左のジャージは、マリオ・チポッリーニが04年ツール・ド・フランスのプロローグで着用したスキンスーツのレプリカで、半袖ジャージとなっているものだ。チポッリーニがグランツールのプロローグに登場するときは、いつもスペシャルなジャージを用意し、観客を魅了する(参考までに、これまで紹介したジャージにも事例がいくつかあるのでそちらにジャンプ No.10 No.21)。04ツールでも、チームジャージとは全くデザインのちがう黒×水色のスキンスーツを身にまとい、世界最大のレース開幕に華を添えた。そういえばプロローグのスタート前、着用していたスキンスーツが少々きつかったのか、スタート台の脇で太ももから下の部分をハサミでチョキチョキ切っていたのが思い出される。そんな感じでプロローグではきっちり目立っていたんだけれど・・・

 今、ざっと「スーパーロードバイクの世界と2004ツール・ド・フランス(竢o版社)」「CYCLE FUN VOL.2 (白夜書房)「2004ツール・ド・フランスのすべて(サイクルスポーツ2004年9月号別冊・八重洲出版)を見て思った。スポンサーの出資によって成り立つ弱肉強食のプロスポーツ界。勝てなかったら意味がないのだなあと。中継であれだけ目立っていたチポッリーニ。プロローグでのスキンスーツ姿の写真が見あたらない。プロの世界はとにもかくにも勝てないと意味がない、ということか。チポッリーニほどの名声があっても、この現実。

 確かにせっかくのグランツールでも、ステージ勝利をあげないまま早々にリタイアとなると、チポッリーニといえども注目度は激減する。実際04年ツールでは大きなインパクトを残せないままリタイアしていた。この年のチポッリーニはジロでも全く元気がなく、序盤のうちにリタイア。02年の世界選手権優勝の後、03ジロでは苦戦しつつもジロ・デ・イタリア生涯ステージ勝利数歴代一位となる42勝をあげることに成功した。しかし、それ以降は度重なる落車などもあり一線級の活躍を見せられずにいた。なんとなく、寂しかった04シーズン。今思うと、チポッリーニが現役時代に着た最後のスペシャルジャージが、04ツールでのプロローグ着用モデルだったのかもしれない。(12/11/06)
 



No.25 Quick Step  
 "'95 Nederlands Champion ,
      Servais Knaven" ('05 season)






 06年いっぱいで長年在籍したパトリック・ルフェーブルのチーム(06年現在はクイックステップ)を離れ、07年よりT-mobileへと移籍するクナーフェン。01年パリ〜ルーベ優勝という事実が示すように、アシストとして働きながらも重要な局面で価値ある勝利をつかむことの出来る、実力派選手だ。左のジャージは、そのクナーフェンのベスト。襟のところに見えるオランダトリコロールが彼のジャージであることを示している。

 クイックステップでは主に平坦での集団コントロールをする姿が印象に残っているクナーフェン。フランドルやパリ〜ルーベのような石畳レースではクレツケンスやブラマーティらと序盤から集団前方を支配していた印象が強い。独特の低いフォームで淡々と先頭を引き続けるクナーフェンの姿はかなり格好良く、しかも袖に入ったオランダトリコロールが彼の格好良さを引き立てていたように思う。ツールでボーネンをゴールスプリントに導こうとしている時も、クナーフェンがやっぱり独特の低いライディングフォームで集団をリードする姿がよく見られたように思う。クイックステップで彼が走っていた03〜06シーズン、オランダチャンピオン歴がある選手がチームメイトにいなかったので、その独特かつ格好いいライディングフォーム+目立つジャージで深く印象に残っている選手だ。来年T-mobileに移籍してしまうと、きっと袖や襟に国旗カラーを施すようなことはしなくなると思うので、それは残念だなあ。ただでさえサングラスやヘルメットで選手の外見上の個性が消されてしまう昨今のレース事情を考えると、よけい残念に思えてくる。

 あまりにも意外だったのだが、クナーフェンがオランダチャンピオンになったのは95年のみのようだ。クナーフェンの公式サイトのキャリア総括ページで確認したのだが、この事実には少々ビックリ。クナーフェンほどの選手がナショナルチャンピオンに一度しか輝いていないとは。それはさておき、きっと来年はエースとして働くケースも増えてくることだろう。01年パリ〜ルーベのような大勝利を再度手にするようなことがあるだろうか?
(05/11/06)
 



No.24
"Maillot Jaune" Tour de France    
                 ('00 season)








 記念すべきミレニアム・イヤーのマイヨ・ジョーヌ。ランス・アームストロングがマルコ・パンターニやヤン・ウルリッヒら強豪レーサーを退け、ツール2連覇を達成した年だ。ランスは最初の山岳ステージであった第10ステージからパリ・シャンゼリゼゴールまでマイヨ・ジョーヌをキープし続け、完勝と言える内容だった。ランス時代が完璧な形で構築された、そんな年と言えるだろうか。

 ランスにマイヨ・ジョーヌが渡るまでの第6ステージから第9ステージまでの間、着用していたのが当時テレコムに在籍していたアルベルト・エッリだ。当時36歳。レーサーとしてはすでに引退間近。長い間選手生活をやっていた自分への素晴らしいプレゼントだ、と言った内容のコメントを当時出していたようだ。確かに、選手生活晩年で4日間もマイヨ・ジョーヌを着ることが出来たらどんなに素晴らしいか。

 このジャージには、そのエッリ本人からサインを入れてもらっている。サインを記入してもらったのは、05年ツアー・オブ・ジャパン伊豆ステージ終了後。フェリックス・カルデナスが当時チームメイトのマッテオ・カラーラとのワンツーフィニッシュを決め、個人総合時間賞首位をほぼ確定させたレースの後だ。アルベルト・エッリはカルデナス擁するチーム・バルロワールドの監督として来日していた。前評判通りチームは他の追随を許さない完璧なレース運びを見せ個人総合優勝を獲得。今後ジロのようなビッグレースへの出場を狙っていくチームとして、他のチームとの地力の違いを存分に見せつけていた。エッリは選手時代と変わらずほっそりとした体型でダンディーそのもの。凄く目立っていた。ツールでマイヨ・ジョーヌを着たことのある選手だっただけあって、監督でありながらファンからサインを求められるようなシーンもあったような気がする(かくいう自分もこのマイヨ・ジョーヌにサインを入れてもらうのが、ツアー・オブ・ジャパン観戦における大きな目的になっていたが)。チーム自体はその後成長を続け、プロコンチネンタルチームの中でも強豪の一角として、06シーズンはそれまで以上に各種プロツアーレースへの招待権を獲得していた印象が残っている。あとはグランツール出場が欲しいところだが・・・。ところで今年もアルベルト・エッリはバルロワールドの監督をしていたんでしょうか。ちょっと気になる・・・
(31/10/06)
 



No.23
Rabobank "Maillot Arcenciel"       
                 ('05 season)











 今これを書いている時点で、現役世界最強のクラシックレーサーをあげろ、と言われたら、自分は間違いなくパオロ・ベッティーニの名をあげる。グランクラシック5つのうち3つのレースで勝利を収め、旧ワールドカップレースでの勝利も多数。イタリア選手権も2度勝利を収めており、オリンピックでも金メダルを獲った。さらに、これまでジャージコレクションのNo.8No.18のところで話題にしてきたように、ただ一つ獲得できていなかった世界選手権勝利=アルカンシェルを、見事に手中に収めた今、成績の上で他を寄せ付けるモノはないからだ。間違いなく、ありとあらゆる栄光に輝いた選手、と言えると思うからだ。しかし、ただ一人、ベッティーニに並び立つクラシックレーサーをあげろと言われれば、間違いなく彼の名をあげる。スペイン最強のクラシックハンター、オスカル・フレイレだ。このジャージは、彼の3度目(!)の世界選手権制覇を記念したジャージであり、右胸UCIのエンブレムの上には、彼が世界選手権を獲った99'、01'、04'の年の刻印及び彼の名前、そして彼のサインがプリントされている。実際に彼が05年レースで着ていたジャージのデザインでは、このエンブレム上の部分がない、シンプルなデザインだったと記憶している.。

 フレイレと言えば、ビッグレースでの勝利ももちろん多いのだが、いかんせん怪我が多くシーズンをフルに走っている姿をなかなか見られない。ベッティーニやザベルのように一年中走ってまんべんなく勝利を収めているような印象はない。けれど、世界で一番尊い世界選手権優勝をすでに3度もあげている。あと一度で記録更新だ(現在の最高記録が3度優勝)。経験者は3名(ビンダ、ヴァンステーンバーゲン、メルクス)。よってフレイレは史上4人目の3勝選手=3枚のアルカンシェルを持つ男というわけだ。彼はまだまだ世界トップクラスの走りを見せ続けており、引退する年(76年2月生まれ、つまりこれを書いている時点で30歳)でもないので、記録更新も十分可能な気はする。

 ちなみにイタリアにかなり肩入れしてレースを観ている自分は、仮想的に適役の選手を作ってレース観戦を楽しみます。そうすると、必然的にスペインの超有力選手、フレイレやバルベルデに対抗してベッティーニやディルーカを応援することになっているわけで。もちろんフレイレやバルベルデは尊敬しているし好きなんだけど(というよりロードレーサーで嫌いな選手っていうのはいないかも)、レースを観る上では勝手に敵役とか設定して盛り上がっている自分(笑)。まあ、それくらい彼等をすごいレーサーだと思っているってことだね。
(14/10/06) 


No.22
Lampre "Japan Cup ,
   Manuel Quinziato" ('04 season)





 02年にランプレでデビューしてから今年で5年目。プロツアーにカテゴライズされているエネコツアーで、つい先日待望のプロ初勝利をおさめたばかりの、マニュエル・クインツィアートのジャージ。04年ジャパンカップにて実際に使用したジャージだ。エースナンバーをつけ、大会ではシンケヴィッツ、クーネゴに次ぐ3位という結果だった。ちなみに同大会には、ランプレ時代の02、04年と、サウニエル時代の05年に来日・出場を果たしている。

  クインツィアートは、自分がロードレースファンになり、生でジャパンカップを見に行ってはじめてサインをもらった選手なので、それ以来ずっと応援している。

 所属チームは02〜04年までがランプレ、05年がサウニエルデュバル、06年がリクイガス。チームを転々としつつ、さらに勝ち星がなかなかつかない状況だったので、ファンとしてはちょっと心配だった。けれど、プロツアーという最高カテゴリーのレースで勝利をつかんだ今、これまでなかなか勝てなかった時間を取り戻すような大きな活躍を期待したいと思う。

 レーサーとしてはクラシックを狙う、独走力に優れたタイプ。02年にはITTの世界選手権にイタリア代表として出場している。同い年で元チームメートのアレッサンドロ・バッラン(ランプレ・フォンディタル)とよく似たタイプと言えるのではないだろうか。今後お互いを高めあうような名勝負を繰り広げてもらいたいと、ファンとしては願っている。
(27/09/06) 





No.21
Acqua & Sapone - CantinaTollo
"Giro d'Italia prologo"  ('02 season)





 近代スプリンター最大の雄、イタリアのマリオ・チポッリーニがキャリア最大の成功を収めた年が02年。ミラノ〜サンレモを制したことでノリノリであったであろうチポッリーニがその年のジロのプロローグで披露したワンピースジャージは「虎」がモチーフとなっていた。

 この年からチポッリーニを迎えたチームは、シマウマをモチーフにしたジャージを用意し、集団内でも
非常に目立つ存在となっていた。チポッリーニを中心としたトレインはゼブラ・トレインと呼ばれ集団ゴールを支配し、ミラノ〜サンレモを筆頭に春先から好成績を収めていた。ゼブラジャージ好調の流れもあってか、普段のシマウマジャージと同じ縞模様だけれど、色合いが違う「タイガージャージ」に身を包んでジロのプロローグに望んだチポッリーニ。しかもジャージだけでなくバイクやヘルメットもシマウマカラーではなく虎模様にアレンジし、タダでさえ格好いいチポッリーニがいつも以上に格好良く見える。チポッリーニならではの派手な演出は見事にはまり、あわや区間賞をもぎ取らんばかりの勢いだった。

 チポッリーニのジャージの話題になるとどうしても避けて通れないけれど、彼以降こうやってスペシャルジャージを用意してレースを走る選手を見られる機会が減ってしまった。罰金があることを理由に、今年のツールでもフランスのプロツアーチーム、フランセージュ・デ・ジューはせっかく用意された特別ジャージでレースを走るプランを諦めたという。これはジャージコレクターの自分としてはとても残念なことだ。チポッリーニが監督として復帰すれば、彼のチームは罰金覚悟でショーマンシップぶりを発揮してくれるのでは?と今から期待している。。。
(23/09/06) 


jersey collections vol.2